(1)中間選挙について
中間選挙(Midterm Election)とは、西暦偶数年の「選挙の日」 (Election Day) に一般投票が行われるアメリカ合衆国の連邦議員その他の公職選挙のうち、4年ごとの大統領選挙と重複しない年に行われるものを指します。大統領職の一期(4年)のうち半期(2年)が経過した時点で行われるため、「中間選挙」と呼ばれます。2018年11月6日の米国議会選では、トランプ政権の政策の是非が国民に審判されます[1]。なお、それまでに各州で数多くの予備選が行われます[2]。Federal Voting Asistance Program[3]を参照すると、カリフォルニア州の選挙日は2018年6月5日となっています。
(2)USPTO[4]の長官について
USPTOの最高責任者である長官[5](Under Secretary of Commerce for Intellectual Property and Director of United States Patent and Trademark Office; Director)は、大統領によって任命されるUSPTO唯一の役職であり、政治的色彩を帯びています。
近年の動向では、2017年6月7日に、USPTOのミシェルリー氏[6](Michelle K. Lee)が長官職を辞任し、同年8月25日(金)にホワイトハウスでは商務省知財担当次官兼USPTO 長官候補として、アンドレイ・イアンク氏[7](Andrei Iancu)を指名すると発表しました[8]。
2018年2月28日には、日本特許庁(Japan Patent Office)にて、宗像長官がUSPTOのイアンク氏と意見交換を行われています[9]。
出所:Federal Voting Asistance Program
(3)おわりに
米国の特許制度だけでなく、USPTOの組織を知ることで傾向や特徴が見えてくると思います。今回は、政治とUSPTOの長官に焦点を当てましたが、その他USPTOの組織について詳細に調べてみては如何でしょうか。
—-以下、参考文献等—-
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[1] 毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20180506/ddm/002/030/066000c 2018年6月5日参照
[2] BALLOTPEDIA:https://ballotpedia.org/California_elections,_2018 2018年6月5日参照
[3] Federal Voting Asistance Program:https://www.fvap.gov/guide/upcoming-elections 2018年6月5日参照
[4] USPTO=United States Patent and Trademark Office(米国特許商標庁)
[5] 35 USC 第 3 条には、「特許商標庁長官は、特許法又は商標法についての専門的な経歴及び経験を有する者でなければならない。」と規定されています。
[6] リー氏は、シリコンバレーの法律事務所のパートナー、CAFCの前Michel首席判事の法律事務官 (Law Clerk)、Google社の副法務顧問、USPTOの特許諮問委員会 (PPAC)の委員等、USPTOのシリコンバレーオフィスの責任者等を歴任したキャリアを持つ現USPTOの長官でした。
[7] Iancu 氏は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で航空宇宙工学の学士号、及び機械工学の修士号を取得。さらに、ヒューズ・エアクラフト社にて1989 年から1993 年までエンジニアとして勤務した後、1996 年にUCLA 法科大学院で法務博士の学位を取得。その後、Lyon & Lyon LLP でアソシエイト弁護士として3 年間勤務し、1999 年からIrell & Manella LLP に所属。2004 年に同事務所のパートナーとなり、2012 年3月からはマネージング・パートナーとして業務執行のトップを勤めました。
[8] JETRO JETRONY知財部 2017/06/08, 2017/08/28付け記事
[9] 日本特許庁:https://www.jpo.go.jp/shoukai/soshiki/photo_gallery2018022891.htm 2018年6月5日参照