2018年8月15日未明に発生した出願番号データベース(Patent Application Locating and Monitoring database : PALM)の大規模トラブルにより、USPTOの特許出願関係のシステムが停止しました。

このような大トラブルは、2015年12月22日に米国東海岸を襲った大雨のためにUSPTOの変電設備が水没した影響で、3日間に渡ってシステムが停止して以来のことです。
2015年のトラブルの際には、原因がはっきりとしていたこともあり、比較的早期に復旧時期が予想されておりました。今回のトラブルはシステム内部に問題があるようで、当初は6時間程度の緊急メンテナンスを行った後に復旧と発表されておりましたが、それが半日、また半日と延び続け、ついには復旧時期不明というアナウンスがされております。データのバックアップはあるようですが、数テラバイトに及ぶデータベースの内容に問題がないかを人力でチェックしているようで、USPTOでは24時間体制で復旧作業を行っておりますが、今のところ再稼働の目処は立っておりません。USPTOは、1日に2回、下記サイトで進捗状況の報告を行っておりますので、詳細はそちらもご参照下さい。
https://www.uspto.gov/blog/ebiz/

システム停止中も、代替の書類提出手段(EFS-Web contingency、FAX、郵送)が確保されているため、USPTOでは特段の救済措置を設ける予定は無いようです。但し、2015年12月に発生したシステム停止の際には、代替手段を使って提出した書類の処理が、システム復旧直後に電子手続きをしたものに比べて、6ヶ月以上も遅延しました。また、FAXを使っての応答書の提出が集中したために、FAXが繋がりにくいという状況も生じました。システムは数日で復旧すると思われますので、法定期限がその先のものについては、システムの復旧を待ってから電子手続きを行った方が確実と思われます。弊所でも、そのような対応を取らせて頂きます。

なお、今回のシステム停止で影響を受けるのは特許(design patentを含む)のみであり、商標システムについては通常通り稼働しております。